COLUMN
家族みんなが安心して暮らせるバリアフリーエクステリアの作り方
2024.9.15
コラム
バリアフリーなエクステリアデザインは、高齢者や障がいを持つ方、さらには小さなお子様を含む家族全員が安心して暮らせる環境を作るために重要です。
庭や外構をバリアフリーにすることで、日常の移動がスムーズになり、転倒などのリスクを減らすことができます。
この記事では、バリアフリーを考慮したエクステリア設計のポイントや実践的なアイデアを詳しく紹介します。
バリアフリーの基本:段差の解消と動線の確保
バリアフリー設計の基本は、段差をなくし、スムーズな動線を確保することです。
特に高齢者や車椅子利用者にとって、段差は大きな障害となるため、エクステリアデザインにおいても十分な配慮が必要です。
スロープの設置
エントランスや庭のアプローチにスロープを設置することで、段差を解消し、車椅子やベビーカーの移動が容易になります。スロープの勾配は、緩やかで安全な角度を保つように設計しましょう。
標準的には、1:12の勾配(高さ12cmに対して1mの長さ)が推奨されます。
広めの動線を確保する
バリアフリーエクステリアでは、歩行者が無理なく通行できるように、動線を広めに確保することが重要です。
車椅子やベビーカーが通行しやすいよう、アプローチや通路の幅は最低でも90cm以上を確保しましょう。できれば120cm程度の幅があると、すれ違いや方向転換もスムーズになります。
滑りにくい床材を選ぶ
スロープやアプローチに使用する床材は、滑りにくい素材を選ぶことが大切です。特に雨の日や霜が降りる季節には、滑りやすい場所が転倒のリスクを高めます。
ラフなテクスチャーのあるタイルや、表面に溝が刻まれたコンクリートなどを使用することで、安全性を向上させましょう。
手すりやガードレールで安全性を高める
段差を解消するだけでなく、手すりやガードレールを設置することで、さらに安全性を高めることができます。
手すりの設置
スロープや階段には、必ず手すりを設置しましょう。手すりは、高齢者や子供が安心して移動できるようにするための重要な要素です。
手すりの高さは、床面から80〜90cmが一般的で、握りやすい形状のものを選ぶと良いでしょう。
また、手すりは屋外で使用するため、錆びにくいステンレスやアルミニウム製のものが適しています。
フェンスで転落を防止
庭やテラスに高低差がある場合は、フェンスを設置して転落を防止しましょう。
フェンスは視覚的に圧迫感を与えないよう、デザイン性の高いものを選ぶと、景観を損なわずに安全性を確保できます。
照明で安全を確保する
夜間の安全を確保するために、エクステリアの照明も重要な役割を果たします。
特に、段差や階段、スロープなど、注意が必要な場所には、適切な照明を配置しましょう。
足元を照らす照明の設置
足元をしっかり照らす照明は、転倒を防止するために非常に効果的です。
ステップライトや地面に埋め込むタイプのフロアライトを使って、歩行者の視界を確保しましょう。
また、アプローチや庭の通路にも、ソーラーライトやLEDライトを設置して、暗い場所を減らす工夫が求められます。
センサーライトの活用
人が通ると自動で点灯するセンサーライトは、夜間の安全性を高めるために非常に便利です。
玄関や庭の出入り口に設置することで、不意の事故を防ぎやすくなります。
また、センサーライトはエネルギー効率が良く、普段は消灯しているため、無駄な電力消費を抑えられるというメリットもあります。
植栽の選び方で安心感をプラス
植栽はエクステリアデザインに彩りを与えるだけでなく、安全性にも寄与します。
バリアフリーエクステリアにおける植栽の選び方にも工夫を凝らしましょう。
視界を遮らない高さの植栽
視界を遮らない高さの植栽を選ぶことで、周囲の安全を確保しやすくなります。
特に、交差点や曲がり角の近くには、低木やグラウンドカバーを植えることで、視界を確保しつつ、庭全体に緑を取り入れることができます。
手入れが楽な低木を選ぶ
手入れが簡単な低木やグラウンドカバーは、エクステリアの維持管理を楽にするために役立ちます。
剪定や草取りの手間を減らすことで、日常的なメンテナンスを軽減し、高齢者や体力に不安のある方でも、庭の美しさを保ちやすくなります。
まとめ
バリアフリーなエクステリアデザインは、高齢者や障がいを持つ方、さらには小さなお子様を含む家族全員が安心して暮らせる住環境を提供します。
段差の解消やスロープの設置、手すりやガードレールの設置、適切な照明と植栽の選定など、さまざまな工夫を取り入れることで、安全で快適なエクステリアが実現できます。
この記事で紹介したポイントを参考にしながら、家族全員が安心して過ごせるエクステリアデザインを目指してみてください。